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2017
adidasの王道、スタンスミスの甦り方 〜専門性が問われる接着のしごと
お客さまが持ってきて下さったこのスタンスミス、随分履いているそうです。
長年履いていると”履かない時期”もあったりするもの。久々に靴箱から出して履いてみると、靴底が剥がれてしまった!というケースが多いのです。剥がれの原因は、素材や接着剤の劣化。
以前は「単一素材もの」「ラバーもの」が大半でゴム糊さえあれば例外なくどんなモノでもつきました。
しかしながら最近は、特に技術発展による素材の多様化が顕著で、安易に修理用の糊で接着出来ないケースが大半を占めるようになってきています。ウレタン、スポンジ、EVA、塩ビ、合成素材、樹脂、TR・・・ やっかいなのは、これらの素材を2種類以上組み合わせたハイブリッドソールもあります。 プロの我々でも、接着問題は大きな課題なのです。
ではどう対処していくのか。
少し専門的な話ですが、素材に合わせ複数の下地剤(プライマー)を使います。素材にあわせて、また下地剤にあわせてプライマーを使い分けなければなりません。場合によっては接着剤も使い分けます。
難しいのが、見ただけで素材の種類が断定できないケースです。もうこれは”経験”と”知識”から成る技術といって過言でありません。どれだけ数をこなして、どれだけ失敗しているかがその店、職人の糧となり、経験の裏付けとなります。
そして、下地剤を塗り込むまでの準備や手間。駅周辺の修理屋さんでは、この手の仕事はまず以て断られます😢
今回のスタンスミスは、アッパーがしっかりとした作りなので接着だけでは心もたなく、アッパーと底をオパンケ製法のように縫いました。
お客さまからは「底つけるだけでいいからちょちょいとやっといて!」と言われることが殆どですが、実は知識と経験、そして作業面では地道で根気のいる仕事なのです。昔のように数百円ではデキナイ・・・
もう1つ、これは読んだ皆さん誰もがすぐに試せるテクニックを紹介します。
スタンスミスは、白を基調色としている分汚れやすい傾向があります。かんたんなクリーニングは一般の方でもやりやすいのでオススメです。
<用意するもの> 消しゴム (場合によってクリーナー)
消しゴムだけでどれだけキレイになるか、試してみた実験が下の写真。
右足が、消しゴムクリーニング後です。主に、底を消しゴムでキレイにすると新品感半端なくなります! アッパーは、汚れが酷い箇所で試験的に試してみて下さい。ただし無理強いは禁物。
次の写真は、汚れが酷いアッパーにはクリーナーを使いました。
クリーナーをかけてやれば、新品のような質感に。
ぜひこの機会に消しゴム、クリーナーを片手にお試しください!
<今回使った推奨クリーナー:SAPHIR Reno'Mat クリーナー>
adidas (stansmith) のスニーカーの修理
接着(※オパンケ縫い込み)・・・3,500円〜+税
<お問い合わせ>
ミスターエマ 03(3385)7284